| ヨーロッパを拠点に活動する宮川ひかるが日本で初めて開く個展です。
ルイ・ヴィトンのバッグを紙で複製し、 正規の値段をつけてパリ本店の前で路上販売しているところを警察に見つかり連行されてしまう体当たりのパフォーマンス、同じ茎から咲く数個の花の中からひとつだけを選んで 毎日ドローイングをしてあげたら、選ばれた花だけが長生きしたというユングのシンクロニシティの実験的なインスタレーションなど、印象深い作品をさまざまな場所で提示し続 けてきました。
それらの作品群の中から彼女が今回見せるのは、Smoking Heavenと名付けられたインスタレーション。つかの間の天国気分を提供しつつ身体を破壊する要素を持つ煙草が、 破壊される運命を背負いながらも丹精込めて作り上げられる曼荼羅に姿を変えます。そして服を作るマテリアルで、マテリアル化、商品化されたイメージを表現するというアイデア から生まれた刺繍の雑誌と今年ジュネーヴで展示されたポスター・プロジェクトの写真作品。ポスター・プロジェクトは「マテリアルを使用しない」商品を扱う架空のブランドの 広告ポスターを、実際に街中に貼って見せるというプランでした。ジュエリーや靴のデザイン画を元に、アーティスト自らがデザインに沿って身体にカッティングを施し、 マテリアル不在の製品をまといます。その姿を写真家が撮影し、ブランド名を付けてポスターが完成しました。ギャラリーにはポスターに使用されたイメージの写真作品と共に、 ジュネーヴの街のプロジェクト風景が展示されます。 物質とは何か、非物質とは何かという問いかけを念頭に、確かな有機感覚に刻まれる答えを探って、 辿り着けるところまで何とか辿り着きたいと願う宮川ひかるの世界をどうぞ体験してください。 (T・F)
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