|
濱口健 Ken Hamaguchi
「黒、経文、その他」"BLACK, SUTRA, AND THE REST"
- works -
|
- press release -
濱口健の初個展が高橋コレクションで開催される。これはニュースであり、事件である。
なぜなら、濱口健というアーティストの名前はおろか作品さえ知っている人はいないはずだからだ。
今春、私が出版した「The Power of the Japanese Contemporary Art」(アスキー)で紹介した
濱口健の作品に高橋先生が目を留め、連絡をくださり、彼の作品を見ていただいたのは、
つい先日のことなのである。
高橋先生の審美眼と決断の早さには脱帽するけれど、濱口健と知り合ってから約10年が経過
しているが、世間にこびることがまったくなかった濱口健の約10年にも私は敬服している。その間、
彼は黙々と制作を続け、今回の「黒、経文、その他」シリーズが100点、「般若心経」シリーズが
276点、すでに完成を見ている。「そのうちどうにかなるだろう」と腹をくくり、あせらず、自分の
スピードで作品を作るのが濱口健スタイルだ。その制作の間、彼の芯はまったくブレていない。
ジャパニーズポップや人気ドラマやファッションなど流行する他のことも、彼の作品には関係ない。
近年、マーケティング感覚が鋭いアーティスト群が登場しているが、それらとは全く反対の極に
濱口健はいる。
6年前、私は「現代アート入門の入門」(光文社新書)で、濱口健を「キッチュで派手、任侠路線で
セクシー、古風でマニアック、並外れた構成力を持つ」と書いた。その印象になんら変化はない。
作品の面白さは実物を自分の眼で見て評価していただきたい。濱口健はまだ始まったばかり、
10年以上のマグマが噴火するのはこれからである。
山口裕美 (アートプロデューサー)
|